夕暮れの五十石駅

◆夕暮れの五十石駅

茅沼駅でタンチョウを見ることができず、残念だったが、自然というものはそういうもんなんだと思いながら、次の五十石駅を目指すことにした。国道３９１号線を北上する。五十石駅の辺りと思われるが、それらしきものが無いというか、五十石の集落そのものが無いようだった。行き過ぎたのだろう、跨線橋を通過した。車を安全なところに止め、地図で五十石駅の場所を確認する。今通過した跨線橋より、だいぶ手前のようだ。昨年もこの駅を訪れていたが、確か近くにログハウスが１軒あったと記憶する。車をUターンさせ、ゆっくりと南下させて行くことにした。ログハウスがあった。そこを通り越し、１００mほど行くと、五十石駅がやはりあった。辺りには、さっきのログハウスが１軒あるが、それ以外はなにも見当たらない秘境駅なのだ。手前の茅沼駅もログハウスで、４駅連続のログハウスだったが、ここ五十石駅は簡素な貨車駅なのである。ここまでくればさすがに大きな釧路湿原も北限になるのだろう。五十石という地名は、その昔鉄道が未開通だったころ、川湯から硫黄を運ぶ五十石船が、釧路川を上りこの辺りまで来ていたところからついたらしい。今は五十石船の面影はなく、五十石という名前が歴史を伝えているようだ。